自分のチャクラと向き合うーWorking with your Chakras

チャクラの説明とチャクラに関連した人生の問題のケーススタディを提供するウェブブックです。

Ⅲ-1 ルートチャクラの症例

 マーティンがカウンセリングにやってきた。彼は結婚しており、3人の小さな子供がいた。彼の妻は子供が生まれる前は職を持っていた。外面的にはマーティンはうまくいっていた。出世の階段を順調に上っていた。ベッドタウンに素敵な家を持っていた。彼は、妻のジャネットが働く必要がなく、家事と子供たちの世話に専念できることに、誇りを持っているように見えた。ジャネットは、彼女のキャリアの数年を中断することを不満には思っておらず、他の仕事のストレスなしに母親として過ごすことを楽しんでいた。お金の心配は全くなかった。

  内面的には、マーティンはストレスを感じていた。妻との関係が言いようのないプレッシャーを彼に与えていた。彼が深いうつ状態にある期間はどんどん長くなっていた。彼は子供たちを愛していたが、人生に何の楽しみも喜びも感じなくなっていた。彼は遊んだり心からの愛情を示したりすることができなくなっていた。彼の性衝動は減少していった。余暇は家の修繕・維持の作業を懸命に行った。彼は自分のための時間があったことがないと不満を言った。

 カウンセリングが進むにつれ、マーティンは典型的な「一家の大黒柱」であろうと自分を駆り立てていることが明らかになった。興味深いことに、彼の両親は彼が子供の時に彼に全く興味を示さなかった。彼の両親は共働きだった。家は小ぎれいだったが、温かみや「心地よい散らかり」に欠けていた。一人っ子として、彼が本当に子どもであれたことはなかった。自分の感情に向き合おうとすればするほど、彼の子供時代の孤独がもたらすひどい苦しみに涙が流れ、怒りがこみ上げた。早期の母親との絆は、十分な真の親密さをもたらすには足りず、そのような親密さは両親のどちらとも築かれなかった。それは何の感情もない不毛な一枚の写真のようだった。そして今、彼自身の結婚において、彼は過度にその埋め合わせをしようとしていた。彼は自分の子供たちに自分が得られなかった子供時代を与えようともがいていた。その努力はある程度は実ったが、彼自身の幸福と健康に与える負担は次第に増えていった。彼には健全なルートチャクラを形成するのに役立つすべてのものが欠落してていたため、それらを他の人に与える余裕を持つことができなかったのだ。彼はすべての事を自然と湧き出る優しさからではなく、意志や自制で行っていた。彼のジャネットとの関係におけるプレッシャーは、彼が次第に感情面で子供たちの一人となって愛のために競い合うようになったためだった。マーティンは様々な面において模範的な夫であり父親だったため、このことが子育てにおいてジャネットを言いようのない大変孤独な立場に追いやっていた。

 明らかにマーティンは、心理学的アプローチにより彼の満たされなかったインナーチャイルドに対処し、自身のセルフイメージを改善する必要があった。彼は、自身のチャクラ、特にルートチャクラに働きかけることにも同意してくれた。それは主にこの章の最後に提示してあるテクニックを用いて行われた。チャクラへの働きかけは、心理学的アプローチを助け、その効果を上げた。比較的短期間で、彼は遊び心を取り戻した。彼は子供たちとより遊ぶようになったが、それは一つには彼のためには一切なかった遊びの機会に代わるものとしてそうしているのだということを完全に意識したものだった。彼は、自分で自分を育むことがよりできるようになり、感情的に非常に複雑なかたちでこのことをジャネットに要求せずにすむようになった。彼は、絵を描くことや美術を学ぶことへの興味を再発見した。彼の性的エネルギーは回復した。

 創造性とセクシュアリティはセイクラルチャクラの管轄かもしれないが、マーティンのケースではルートチャクラが最も重要だった。それが未発達でブロックされていたからだ。セイクラルチャクラへの上向きのエネルギーの流れは不十分だった。ルートチャクラが強化されると、セイクラルチャクラもよりカラフルになり活性化した。ルートチャクラに行ったものと同強度の働きかけをセイクラルチャクラに行う必要はなかった。